この度、蓮慶寺の本堂、大門(山門)及び土塀が、国の登録有形文化財に登録されることになりました。
約3年前、本堂の建立年代や建築技法を調査してもらったのが、きっかけでした。その調査によって、歴史的に価値がある本堂であることが判明し、
浄土真宗の本堂は、念仏の道場でもあります。一人でも多くの人がお参りし、教えを聞けるようにとの願いがあり、このような大きな本堂が建てられたのではないかと思います。その願いを受け、今後とも仏法との出遇いの場として護持していきます。
特徴1、地域を代表する大型本堂
蓮慶寺の本堂は、今から200年前、1811年(文化8年)に建立されました。1800年頃に建立された浄土真宗寺院は、小ぶりな本堂が一般的でしたが、1800年の初頭に建立された本堂としては、かなり大型の本堂に分類されるそうです。
特徴2、阿久比の「横松大工」による建設
阿久比町に横松という地域がありますが、江戸時代の終わりごろ、横松は大工の村として有名で、横松の大工のことを「横松大工」と呼び、多数の社寺建築や半田市の山車の製作にも携わっていたそうです。蓮慶寺の本堂も横松大工の「榎本清兵衛」という方が棟梁として建築されたことがわかりました。
特徴3、本堂向拝が三向拝(四本柱)
屋根を支える本堂正面の太い柱を向拝(ごはい)と言います。二本柱の本堂が多いですが、蓮慶寺の本堂は、四本柱の三向拝という珍しい様式です。
特徴4、本堂内部が丸柱
本堂のご門徒の方々が参拝する場所を外陣(げじん)、あるいは大間(だいま)と言いますが、この大間の柱が丸柱であるのは非常に早い例だそうです。当時の本堂では角柱が一般的でした。
特徴5、内陣の天井二重折り上げ格天井
ご門徒の方の参拝する外陣に対して、阿弥陀如来を安置する空間を内陣(ないじん)と言います。その内陣の天井が、二重折り上げ格天井(ごうてんじょう)となっているのも特徴です。格天井とは縦と横に柱を組んだ正方形模様の天井です。一重の天井が一般的です。